稼働する架線延線車=群馬県高崎市阿久津町、12日午前1時すぎ
架線延線車で金具を交換する作業員

 JR東日本は11日深夜、上越新幹線の架線張り替え工事を報道機関向けに公開した。

 工事は老朽化対策と耐震化が目的で、少人数で作業可能な大型機械を活用しているのが特徴。同社は「鉄道工事における働き方改革を実現し、工事を着実に進めたい」と説明する。

 作業員が乗った「架線延線車」は12日午前0時、高崎駅近くの高崎南部保守基地を出発した。およそ40分かけて南に進み、本庄早稲田―高崎間の工事現場に到着した。
 

 

 今回張り替えたのはトロリ線と呼ばれる、車両のパンタグラフと接触する架線。27年間使われた約800メートルを新品に交換した。作業員は降りしきる雨の中、一つ一つの手順を確実にこなしながら架線の金具を付け替えていた。

 工事は全ての車両が運行を終えた後に毎日行われる。上越新幹線の場合、終電から始発まで、工事に確保できる時間は5時間ほど。ただ、基地と現場の移動や作業後の確認に1時間40分はかかるといい、実際の作業は3時間20分となる。

 同社は来春から、終電を20分繰り上げて作業時間を1割増やす計画を打ち出している。

 同社上信越新幹線電力技術センターの山下真実所長は「作業時間を確保し、安全で安定した新幹線輸送サービスを提供する」と話す。今後、橋やトンネルの大規模改修にも対応する。

 新幹線の終電時刻繰り上げの計画を巡っては、高崎市が計画の見直しと協議の場を求める要望書を同社に提出。新幹線利用者からは繰り上げの影響を懸念する声が上がっている。